読書前夜(買った本について)

読むペースより買うペースが速く積読ばかり増えていくため、買ったときの気持ちを記録していくことにしました。

今和次郎『考現学入門』

 

考現学入門 (ちくま文庫)

考現学入門 (ちくま文庫)

  • 作者:今 和次郎
  • 発売日: 1987/01/01
  • メディア: 文庫
 

 西山夘三を取り上げた展示会に行き、そこで「考現学」というものがあることを知った。もともと、そういった分野(異常なまでの蒐集や記録)に興味があったので、一気にその分野に興味を持った。

 私も学生の頃、講義名の略し方の採集などを行ったことがあるのだが、できることなら、学生の頃に考現学というものに出会っておきたかった。出会えていれば、もっと広範囲にわたった調査をするモチベーションになったのではないかなと思う。ある大学のある時期の学生の生活を広く記録することは、その集団にとっては価値あることなのではないか。

 学生の頃であれば、上記のように採集テーマに困ることもなかっただろうし、成果を発表する場にも困らなかっただろうと思う。社会人になって思うのは、何を採集してどこで発表すればいいんだろう(世間的に、どういった調査まではOKで、どういった発表ならOKなのか)…ということばかりである。物事を始めるのに遅いことはないとはいうが。

 本書は、考現学の提唱者、今和次郎による調査記録だということで興味を持ち購入した。