読書前夜(買った本について)

読むペースより買うペースが速く積読ばかり増えていくため、買ったときの気持ちを記録していくことにしました。

沢木耕太郎『深夜特急1 香港・マカオ』

 

深夜特急1-香港・マカオ- (新潮文庫)

深夜特急1-香港・マカオ- (新潮文庫)

 

  東北出張のときの小さな楽しみが、新幹線でJR東日本の広報誌「トランヴェール」を読むことだ。その中でも『旅のつばくろ』は真っ先に読む連載である。つい最近、その連載をまとめた単行本が発売されたらしい。こういうのは、電車に揺られながら(新幹線は揺れない?)、1話1話をじっくりと読むのが良いのかもしれないが、また機会があれば買って読んでみたい。…文庫化されたら買いたい、というのはわがままでしょうか?

 『深夜特急』は、名前は聞いたことがあったが、これまで読む機会がなかった。これも、学生の頃に読んでいれば…と思ってしまうのだろうか。

後藤明『世界神話学入門』

 

世界神話学入門 (講談社現代新書)

世界神話学入門 (講談社現代新書)

  • 作者:後藤 明
  • 発売日: 2017/12/14
  • メディア: 新書
 

 井上光貞『日本の歴史〈1〉』(中公文庫、2005年)を読んでいるときに、日本神話の内容によく似た神話が世界各地で見られることを知った。そのことについて詳しく知るために本書を購入した。

 ちなみに、『日本の歴史』についてもまだ読み終わってないが、古事記日本書紀の記載の差や日本書紀の「一書」の記載から歴史を紐解く説明がされていてとても興味深い。このあたりについて解説した本やネット記事については多くあると思うが、玉石混交という印象があり、何が正しくて何がトンデモなのかの判断がなかなかつけられないため、このあたりのしっかりとした本を読むのが安心な気がする。

今和次郎『考現学入門』

 

考現学入門 (ちくま文庫)

考現学入門 (ちくま文庫)

  • 作者:今 和次郎
  • 発売日: 1987/01/01
  • メディア: 文庫
 

 西山夘三を取り上げた展示会に行き、そこで「考現学」というものがあることを知った。もともと、そういった分野(異常なまでの蒐集や記録)に興味があったので、一気にその分野に興味を持った。

 私も学生の頃、講義名の略し方の採集などを行ったことがあるのだが、できることなら、学生の頃に考現学というものに出会っておきたかった。出会えていれば、もっと広範囲にわたった調査をするモチベーションになったのではないかなと思う。ある大学のある時期の学生の生活を広く記録することは、その集団にとっては価値あることなのではないか。

 学生の頃であれば、上記のように採集テーマに困ることもなかっただろうし、成果を発表する場にも困らなかっただろうと思う。社会人になって思うのは、何を採集してどこで発表すればいいんだろう(世間的に、どういった調査まではOKで、どういった発表ならOKなのか)…ということばかりである。物事を始めるのに遅いことはないとはいうが。

 本書は、考現学の提唱者、今和次郎による調査記録だということで興味を持ち購入した。

大野晋『日本語の文法を考える』

日本語の文法を考える (岩波新書 黄版 53)

日本語の文法を考える (岩波新書 黄版 53)

  • 作者:大野 晋
  • 発売日: 1978/07/20
  • メディア: 新書
 

 古いものや古いことに興味がある。歴史上の出来事に興味があるというよりは、ものごとのはじまりや変遷、それについて記録されたものに興味がある。

 少し前に、小田勝『古代日本語文法』(ちくま学芸文庫、2020年)を買っていた。購入のきっかけは、この本を紹介したブログ(LINK)で、高校生の頃に暗記した文法にもまだよく分かっていないことがあるのか、と興味を持ったことだ。本が届いてから、そういえばもともと古文はそれほど得意ではなかったな、と思い出し、この本にはなかなか手が伸びていなかった。(それでも、ハ行転呼など冒頭から興味深い内容で、いつかは読みたいとは思っているが…)

 そこで、古文がダメなら現代文だ、ということで、大野晋『日本語の文法を考える』(岩波新書、1978年)を買った。レビューなどを見ると、古代の日本語からの変遷なども知ることが出来るようで、期待している。

ブログを始めたきっかけ

 小学生の頃の担任に、本を買うことが趣味で、読むことは趣味ではないという人がいた。当時は冗談で言っているんだろうと思っていたが、自分も知らない間にその道に足を踏み入れてしまっていた。

 本を買うのも好きだし、本屋をうろうろするのも好きである。学生の頃は、毎日のように生協の書籍コーナーに足を運び、買うわけでもない専門書を眺めて楽しんでいた。

 社会人になってからも、月に何度かは大型書店に行った。学生のころと違って、お金にも少し余裕ができたので、欲しい本は買うようにした。次第に、買うペースが読むペースを上回るようになり、部屋には積読の山ができるようになった。

 大型連休のたびに、「今回こそ本を読もう」と意気込むのだが、上手くいったためしがない。読書メーターなどにも登録しているが、なかなか本を読む時間も取れない。それならばと、その本をなぜ手に取ったのか、何がその本を買わせたのか、その時の熱意を記録しようと思い、このブログを開設した。